恋愛ゲーム
腕を掴まれた瞬間、すごい剣幕で歩が話し始める。
『ちょっと明菜!おはよー、じゃないでしょ!?
教室入った瞬間びっくりしたよ!
アンタ、松下先輩と付き合い始めたって本当なの!?』
…は?
歩の言葉に、一瞬思考回路が停止する。
寝惚けていた頭の中が、一瞬で動き始める。
ちょっと待てよ。
松下先輩…松下…まつした……
“賭けてみる?”
“付き合ってみて、俺がアンタを落とせるかどうか。
もしくは、アンタが俺を落とせるか”
「…ああ、それか」
全て、鮮明に思い出した。
昨日の会話も、先輩の行動も、あたしがしてしまったことも言ってしまったことも全て。
『えーっ!?明菜すごいじゃん!
どうして上手くいったなら昨日教えてくれなかったの!?
それより、あの松下先輩をどうやって落としたわけ!?』
「…さあ?」