恋愛ゲーム


…あれ。
あたし何か間違ったこと言っちゃったかな。





『とっ…とにかく!』





しばらくお互いの間に沈黙が流れたけれど、一番最初にあたしを呼び止めた、目の周り真っ黒なパンダみたいな先輩がはっとしたように口を開いた。





『アンタが、慎吾のこと好きだろうと嫌いだろうと関係ない!
さっさと別れてよ!』



「…はい?」



『“明菜と付き合うことにしたからもうやめるんだ”って昨日いきなり言われて…

もう相手してやれないって言われたのよ!?
あたしには慎吾しかいなかったのにーっ!』





…はあ。
あたしにそんなこと言われてましても…


――それより。

チラッと視線を泳がせると、とにかく人、人、人。


こんなにいっぱいいたんだ…先輩とあんなことしてた女の子。
この人達は、みんな――…



そこまで考えてしまって、胸がチクリと痛んだ。


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