恋愛ゲーム
そんな気持ちを振り払うように顔を上げて、あたしは大きな声で言った。
「大丈夫です。
多分1週間過ぎたらあたし達終わりますから」
『え?』
やっぱりこれだけ言っても、いきなりじゃ意味分かんないよね。
先輩達だって、これがゲームだって分かれば安心するはずだし、あたしだって穏便な生活が送れるんだ。
「だからですねー…
―――…んんっ!?」
あたしがゲームの説明をしようとした、その瞬間。
誰かに後ろから口を塞がれた。
手で口を塞がれたまま、後ろへ引き寄せられる。
そのままポスッと誰かの胸の中に収まったところで、耳元で声が聞こえた。
「悪い。
俺明菜と付き合い始めたから、もう他の人の相手は出来ねえんだ。
ほんと、ごめんな」
…で、出たあっ!松下慎吾(先輩)!!
…つい頭の中で、呼び捨てに叫んでしまった。