恋愛ゲーム


気付けばあたしは、大きな声でそう言って勢い良くその場に座り込んでいた。

先輩はそんなあたしを見て、クスクスと笑っている。


…もしかしてあたし、先輩の口車にうまく乗せられたのかも?





「…あの、松下せんぱ「慎吾」



「…せんぱ「慎吾」



「せん「慎吾」





…ああ、もう!
一体何なのよこの人はっ。





「し…っ、慎吾…」



「なに?明菜」





あたしが「慎吾」と呼んだ瞬間。

先輩は何事もなかったかのように、しれっと返事をした。


…何なの、この人。いまいちよく分からない。

しかも、やっと振り向いてくれたし…





「あの…
あたし達、ほんとに付き合ってるわけじゃないじゃないですか。

だったら別に、先輩は他の女の人との関係を切る必要なんてないんじゃないですか?
あたし全然気にしませんから」





朝からあんな揉め事に巻き込まれちゃったしね。


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