恋愛ゲーム

もどかしさ ―慎吾side―

「だってそこまでしなきゃ、きっと明菜は振り向いてくれないと思ったから」





これが俺が君に初めて伝えた、本当の気持ちだった。

俺がそう言った瞬間、カッと明菜の頬が赤く染まって。





「そ…そんなこと言ったって…
あたしは簡単に落とされませんからね…っ」





だけどそう言った明菜は、俺からフイッと視線を反らしてしまった。


あんなこと言ってしまった後だから、そう簡単に信じてもらえないのは仕方ないことなのかもしれない。


俺がどんなに明菜の笑顔を見たいと望んでも、あの時みたいに話しかけて欲しいと思っても、もう無理かもしれない。


それは、分かってた。
分かってたけど――…





「明菜」



「…勝手に人のこと呼び捨てで呼ばないでください」



「………。」





…別に分かってたよ、信じてもらえないことも、普通に接してくれないだろうことも。