恋愛ゲーム

明菜の顔がますます赤く染まっていって、再びキョロキョロと視線を泳がせる。





「…近…っは、離れてください…！」





それでも明菜は必死に俺の手から逃れようと、一生懸命顔を背けている。

なんて言うか…めちゃくちゃ可愛い。


なんでかな。
困っている表情を浮かべる君を見ると、もっともっと、そんな表情が見たくなる。

君のことをもっと、もっと困らせたくなってしまう。





「…嫌だ」



「え…」





当然、明菜は驚いたように顔を上げる。

さっきまで慌てたように俺から視線を反らしていた明菜の視線が、止まる。


視線が、絡む。

まるで、二人の周りだけ時が止まってしまったように、視線が合わさって。





「明菜って呼んでいいって言ってくれるまで、絶対離さない」





初めてなんだ。


名前を呼ぶだけで、

近くにいるだけで、

こんなにも愛しいと、思える人は。