恋愛ゲーム
“慎吾は、本気で人を好きになったことなんてないんでしょ?”
“だってもう、今さらじゃない。”
“あたし…慎吾のこと好きでいるのが…辛いよ。”
こんなにも愛しいと思うのに、
こんなにも気持ちは溢れるのに、
この気持ちを上手く伝える方法を、俺は知らない。
例えその方法を知っていたとしても、俺にはきっと…その気持ちを明菜に伝える資格なんてない。
明菜のことを、好きになる資格なんて――ない。
だって俺は、こんなにも違うから。
明菜とは、こんなにも違うから。
「…松下先輩、」
その声に、はっとして顔を上げる。
突然黙り込んだ俺に、少しだけ心配そうな表情を浮かべる明菜が、躊躇いがちに声をかける。
俺の腕の中で、ただじっと心配そうな表情を浮かべたまま俺の顔を見つめている。
俺はきっと、明菜に惹かれてる。
きっと――いや、絶対。
明菜に、側にいて欲しいと願ってしまう。