恋愛ゲーム


…ごめん。
冗談なんかじゃないよ。


君を、抱き締めたいと思ったのは――本当の気持ち。
君に、心のどこかで惹かれているのも――きっと本当。



――でも。
―――だけど。

俺には、君に気持ちを伝える資格なんかなくて。

きっと君は、俺のことなんか好きじゃなくて。

俺は弱いから、傷付くのが怖くて逃げていて。




確かに最初は、全くそんなつもりじゃなかったんだ。

ただのゲームの相手だった。

愛とか恋とか、すげえくだらねえって思ってた。

だけど、だけど明菜は。

明菜には、そんなこと思いたくなくて。


色気とか、媚びとか、そんなもの全くない。


口を開けば俺を批判する言葉ばかりで、他の女と全く違う。


だけど――だからこそ。
自分にはないものを明菜は持っていて、自分にない強さが明菜にはあって。

強さの裏の、あの優しくて柔らかい笑顔をもう一度側で見たくて。


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