恋愛ゲーム

必然的に目があって、

思わずあたしは、視線を違う方向へとずらした。





「――…っ」





ヤバい…
最低だけど、もう好きなんかじゃないけど。

松下先輩、やっぱり格好良すぎるよ。


良く似合う金髪に、
たくさんのピアス。
整った顔立ちに長いまつげ。

まさに、“美少年”って言葉が良く似合う。


女のあたしだって、憧れてしまうくらい。





「明菜」





もう一度、あたしの名前を呼んで。
先輩は視線を合わせるようにあたしのことを見つめながら、そっと手を伸ばしてきた。


その手が、あたしの頬に触れた瞬間。


無意識に身体が反応してしまい、ビクリと肩が揺れた。
ついギュッと目を閉じてしまったせいで、先輩がどんな表情をしているのかは、わからない。


――わからない、けれど。





「…んな怖がんなよ」





小さくつぶやいた声に、
あたしははっとして、そっと目を開けた。

少し寂しそうな、微妙な笑顔を浮かべた先輩の顔が視界に入る。