恋愛ゲーム
真面目な表情で、じっと見つめられて…
あたしは思わずギュッと目を瞑り、そっと口を開いた。
「――し、慎吾…」
その、瞬間。
あたしの唇に、何かが触れた。
柔らかくて、温かくて。
はっとして目を開けると。
あたしの目の前にあるのは、さっきよりも近くにある、松下先輩の顔。
そして、そのままもう一度―――あたしと松下先輩の唇が重なった。
触れるだけ、の。
少しくすぐったいような、そんなキスだった。
「先、輩…?」
少しだけ笑顔を浮かべて、先輩はそのままポスッとあたし足の上に寝転がった。
その視線は、
向こうを向いていて何を思っているのかは分からない。
あたしはそっと、
震える指で唇をなぞった。
触れた瞬間、心臓が壊れてしまうんじゃないかと思うくらい大きな音を立て始めて。
――どうしよう。
もう、分かってしまった。
きっともう、戻れない…
あたしは―――…
やっぱり、こんなにも…
松下先輩のことが、好きだ。