恋愛ゲーム
「んな慌てなくたっていいのに。
俺が目ぇ覚ましたら、明菜爆睡だし。
ずっと寝顔見つめたりちゅーしたりしてたのに気付かないから、そのまま寝かせといてあげた」
「え…っ、う、嘘つかないでください…!」
「ははっ、嘘うそ。
何もしてねえよ」
先輩は笑いながら立ち上がると、大きく伸びをした。
何だかからかわれたのが悔しくて…あたしはちょっとだけ、先輩にキツい視線を送ってみる。
そんなあたしを見て、
先輩は「んな怒んなよ」と笑いながら言って。
「それより、背中とか痛くない?
床、固いから」
それから、あたしの顔を覗き込むようにそう訊ねた。
…そうだ、あたし!
「す、すいませんっ…
先輩こそ重かったですよね…!?
足、大丈夫ですか…?」
「ん?全然。余裕で軽かったよ」
だけどそんなあたしに対して、先輩は笑顔を向けてくれた。
ドキッ…
…やばい。
あたし、さっきから先輩にドキドキしすぎだよ…