恋愛ゲーム
そう、言われてみたら…
あたし、一体どうするつもりだったんだろう。
「あの…」
考え込むあたしに、
先輩はそのまま言葉を続ける。
「じゃあ例えば、
俺の言うこと、…何でも聞いてくれたりした?」
「…え、あ、そう…ですね」
その言葉に、あたしはただ頷いて。
その時、先輩の表情が変わった。
あたしのことを見つめながら、そっと手を伸ばして…髪に、触れた。
「…俺、怒ってるよ?」
「え…?」
その手が、あたしの肩をギュッと握った。
「―――じゃあ、前言撤回。
俺、明菜のことすげぇ怒ってる」
「…先輩?」
「俺が言うこと、何でも聞いてくれるんだろ?
だったら、明菜から…俺にキスして」
…え?
先輩、いま、何て言った?
あまりにも真剣な表情で、先輩がそう言うから。
あたしはどうすれば良いのかわからなくなって、ただそのまま立ち尽くしていた。