恋愛ゲーム
「ハイ。ほら、早くしてよ」
そう言って、先輩は目を閉じてあたしに近付いた。
長いまつげに、光が当たってキラキラと反射する。
「…や、えっと…!
だから、それは……」
「してくんないの?」
「いや…だから…っ」
先輩の行動一つ一つに、
いちいちこんなにもドキドキするなんて…
大きく脈を打ち続ける胸を、制服の上からギュッと押さえた。
…だめ、だ。
心臓…爆発しそうだよ。
こんなにも、ドキドキするなんて…
あたしはやっぱり…
先輩が好きなんだ――
「ねえ、明菜」
先輩が、あたしの耳元でそっとささやく。
その声が、何だかくすぐったくて。
思わず首をすくめて、先輩へと視線を向ける。
…目が、合って。
あたしの心臓は、またバカみたいにドクン、と高鳴った。
「――なあ、顔、上げてよ。
顔、見せて。
明菜の顔、ちゃんと見たい」
…ああ、先輩は…意地悪だ。