恋愛ゲーム


***


「…松下先輩?」




授業が終わって、あたしは歩たちに理由を告げると教室を出て、そのまま裏庭へと向かった。

あたしが裏庭に着いた時、そこにはまだ誰もいなくて。

…良かった、先に着いて。


ほっとしてため息をついたとき、後ろから小さな足音が聞こえから。


松下先輩かな?
そう思って、あたしは振り返った。


その時。


…ドンッ!




「……った!」





あたしは、いきなり誰かに後ろから突き飛ばされたみたいで、勢い良く目の前のアスファルトに倒れ込んでしまった。

膝の皮が擦り剥けて、血が滲んでいる。


後ろを振り返った、その時。

あたしの目の前に、誰かが立っていることに気付いて。





「…誰?」





見上げると、
そこにいたのは、一人の女の人。

名札の色は…3年生、だ。


その女の人は、すごく美人で、スタイルが良くて…


見ただけで分かる。
――あたしなんかが、絶対に適うような相手じゃない。


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