恋愛ゲーム
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「…松下先輩?」
授業が終わって、あたしは歩たちに理由を告げると教室を出て、そのまま裏庭へと向かった。
あたしが裏庭に着いた時、そこにはまだ誰もいなくて。
…良かった、先に着いて。
ほっとしてため息をついたとき、後ろから小さな足音が聞こえから。
松下先輩かな?
そう思って、あたしは振り返った。
その時。
…ドンッ!
「……った!」
あたしは、いきなり誰かに後ろから突き飛ばされたみたいで、勢い良く目の前のアスファルトに倒れ込んでしまった。
膝の皮が擦り剥けて、血が滲んでいる。
後ろを振り返った、その時。
あたしの目の前に、誰かが立っていることに気付いて。
「…誰?」
見上げると、
そこにいたのは、一人の女の人。
名札の色は…3年生、だ。
その女の人は、すごく美人で、スタイルが良くて…
見ただけで分かる。
――あたしなんかが、絶対に適うような相手じゃない。