恋愛ゲーム

…そうかもしれないけど。

でも…っ！





『慎吾があたしを好きで、それで勝手にしてることじゃん。
何で慎吾のことなんて何も知らないアンタなんかに…

そんなこと言われなきゃいけないの』





だって…
見てれば、話を聞いてれば…痛いほど、分かるじゃん。

先輩の、不器用な愛し方。

下手くそで、…でも真っ直ぐで。





「…きっと先輩は、寂しいんです。

いつも女の人と関係を持って、お金をもらっていても…
いつもその時だけ、誰かに必要とされていても…」





だって、そうでしょ？

そうじゃなきゃ、あの優しい松下先輩が人を傷付けるはずなんてない。

あんなに優しさを持っている人が、不用意に人を傷付けるはずがない。





「先輩は、きっと樹里さんのことがほんとに…本当に、大好きなんです。
…大好きなんだと思います」





その気持ちを、あたしがどれだけ欲しいと思ったか。

その気持ちを、どれだけあたしに向けて欲しいと願ったか。