恋愛ゲーム
「でも…
樹里さんは、自分を必要としていない。
本当に心から、自分のことを必要とはしてくれていない。
だけど、やっぱり誰かに必要とされたくて…
不器用だから、
お金でなんとかしようとしてしまう。
樹里さんのことが、好きだからこそ…
本当に、大好きだからこそ、あんなことしてるんじゃないんですか…?
――お願いします…先輩の気持ち、分かってあげてくださいっ…
先輩の気持ちを、簡単に利用しないでください…」
だって、
きっとそうでしょう?
先輩がいつも、
何となく寂しそうなのは…想われない、報われない辛さを知っているから。
きっと告白して来る人を、
簡単に振れないのは…人を想う気持ちを、自分が誰よりも知っているから。
少しでも自分を必要としてくれることが、嬉しいから。
その気持ちに、応えようと思うから。
だからきっと、先輩は。
あたしの好きな先輩は。
「お願いします…っ」
どこかで優しさを、
はき違えたのかもしれない。