恋愛ゲーム

『…偉そうなこと言わないでよ！


アンタなんかに何が分かるっていうの…？
慎吾のゲームの相手でしかない…アンタが…！』



「…じゃあ俺の外見にしか興味がない、樹里こそ俺の何を知ってるっていうの？」





――…え？
今の声、って…





『し、慎吾…！』

「…松下、先輩…」




あたしと、樹里さんの声が重なった。
どうして先輩がここに…？

あたしが先輩のことを見ていると、
ふとあたしの目線に気付いた先輩は、あたしの方へと足を進めながら口を開いた。





「ちょっと明菜に用あって、教室行ったらいなかったから。


クラスのヤツに聞いたら、“先輩が手紙あげたんじゃないんですか？”って言われたから、…心配になって来てみたんだ」



「そう、なんですか…」





今更になって、どうしてあたしは気付かなかったんだろう。

…また、先輩に迷惑をかけてしまって。


あたしは本当に、先輩に迷惑をかけてばっかりだ。