恋愛ゲーム
「…大丈夫か?立てる?」
しばらく立って、
先輩はあたしの身体を少し離してそう訊ねた。
――ズキンッ…!
「痛っ…」
だけど立ち上がろうとした時に突然、足首が痛み始めた。
やば…
突き飛ばされた時に、足…くじいたかも…
もう一度その場にしゃがみ込んで足首に触れてみると、少しだけ腫れているような気もする。
その時、先輩がそっとあたしの足首に触れた。
「やっぱりケガ、してたのか?」
「あ…少しくじいちゃったみたいで…
でも、大丈夫ですから…!
先輩は、気にしないでください」
これ以上、先輩に迷惑はかけたくない。
樹里さんも言ってたように、あたしは先輩の側にいちゃいけないのかもしれない。
だってあたしは、どうせすぐに別れなきゃいけない。
あたしは――たった1週間だけの、ただのゲームの相手なんだから。
先輩のこと、好きだけど…
ちゃんと、諦めるから。