恋愛ゲーム


それから、どれくらいの時間がたったのか。

それが長かったのか、
短かったのかもよく分からない。





「…保健室、行くか」





先輩が、そっとあたしから離れて言った。

あたしはその言葉に、黙って頷いた。

でも…歩くの、痛い。
だけど先輩には、迷惑はかけたくない。


――どうしよ…





「…ん。」





声のした方を見ると。
先輩が、あたしの足元にしゃがみ込んでいて。





「…ん?」





訳が分からず、思わず聞き返すあたし。
そんなあたしに、先輩はもう一度「ん。」と声をかけながら。





「足、痛いんだろ?
膝もケガしてるみたいだし。

早く乗れよ。保健室、連れてってやるから」



「えっ…先輩何言って…

そんな…あたし全然大丈夫なんでっ!」





そんな――…

絶対に無理むり!

先輩からおんぶされるなんて…そんな恥ずかしいことされるくらいなら、あたし死んだ方がマシっ!

…あたし恥ずかしくて死んじゃうよ。


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