恋愛ゲーム
「ほんとに大丈夫なんで…!
気にしないで…「俺が」
あたしの言葉を、先輩が遮って。
「…ごめん。
勝手かもしれないけど、厚かましいかもしれないけど…
明菜が大丈夫って言っても、
……どうしても、俺が心配だから」
そう言って、笑った。
…胸が、ギュッとなる。
――ずるいよ、先輩は。
こんなにも簡単に、あたしの心を惹き付ける。
ゲームが終わったら…
この笑顔は、あたしの隣にはもうないのに。
それでも、だから…
あたしは、先輩を求めてしまう。
あたしは俯き、
ゆっくりとしゃがみ込んで、先輩の背中にギュッと掴まった。
触れてみて、初めて気付く。
見ているのと…実際に触れるのは、全然違う。
こんなに細くて華奢に見える、先輩の身体も。
大きな手も。
きれいな、金色の髪も。
ねえ…先輩?
なんであたしと、ゲームをしたの?
なんで相手を、あたしにしたの?
ゲームが終わっても…一緒にいたいよ。
先輩…あたしの側にいて、くれませんか?