私は大事なそっくりさん
プロローグ
「お兄……ちゃん………? 」
そう言いながら、彼女は微笑んだ。
「泣かないで…お兄ちゃん……お兄ちゃんが泣いてると私も悲しいよ…」
いつの間にか俺は泣いていた。
ごめんな、
ごめんな……
お兄ちゃんはお前を守れなかったよ。
「大丈夫だよ、お兄ちゃん。私はずっとお兄ちゃんを……」
俺はただベットで懸命に話す妹の頭を撫で続けた。
頭を撫でるのは、お前を1番安心させてあげる事ができるのを知っていたから。
そして
どこかに触れていないと、お前はすぐにでも消えてしまう気がしたから。
「どこにいても……見守っててあげるからね…お兄ちゃんは幸せ者だよぉ…」