私は大事なそっくりさん
次の日、珍しく目覚まし時計無しで目覚めた私はゆっくり朝ご飯を食べた。
「ねぇ、お母さん」
「どうしたの? 今日は起きるの早いわね」
「うん。隣に引っ越してきた人ってさ……」
「涼くんでしょう? カッコ良くなったわよね~。豆粒みたいに小さかったのに…」
「えぇっ?! 知り合いだったの? 」
「うん、でも由姫は知らないかもね。いっちゃんとは、由姫が生まれる前に会ったきりだから」
「いっちゃんって? ってか、なんで教えてくれなかったの?! 」
「あら、言ったわよ? 由姫ったら友達とカラオケとかで浮かれて、聞いてなかっただけよ」
「えぇ……そんなぁ。あっ、じゃあさ……」
「そんなに喋ってると遅刻よ。チコク。早くしなさい」
うわ、あと15分だ。
ヤバい。