私は大事なそっくりさん


今から走れば間に合うはず。



玄関のドアを乱暴に開けて、私は飛び出した。




「いってきまーーす!!」




バタバタと走り出した私の後ろから、声が飛んできた。





「おはよう! 由姫ちゃん」





この声は……




走るのを止めて、振り向いた。




涼さんだ。




「あっ、おはようございます! 」




「朝から元気だね。由姫ちゃんは」




まさか、さっきの見られてた…?!




うわぁ恥ずかしーー…




「あっ、そろそろ時間だね。行ってらっしゃい、由姫ちゃん」




「……行ってきます! 」




もう気にしていられないよ。




だって、このままだと本当に遅刻だもん。



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