私は大事なそっくりさん
「初めて会った時から気づいてたんだけど……由姫ちゃんは、さくらにそっくりなんだ。凄く……」
「えっ……? 」
「だから、あの時気がついたら抱きしめてた。また、あいつに会えた気がして……」
ごめんね。といいながら、涼さんはまた悲しい目で私を見る。
そんな目で見ないで。
なぜか私まで悲しくなるから………
「……私、何か出来ることがありますか? 」
「由姫ちゃん……迷惑かけてごめんね。あいつにもよく言われてたんだ。『放っておけない』って」
「全然大丈夫ですよ。何か力になれるなら、なんでも言って下さい」
「なんでも……か………」
涼さんは上を向き、コーヒーを開けながら空を見上げた。
「あっ、でもでもっ! 変なお願いはダメですよ? 」
「………変なお願いって?? 」
涼さんはいやらしくニヤッと笑い、私を見た。
「えと、あの、何でもないです……」
私は恥ずかしくなり、思わず俯いてしまった。