私は大事なそっくりさん
2章 夏の恋
「あっ、涼にー!! おはよう!! 」
やっぱりいた。
毎朝出発する時には、涼にーは玄関の前から私を見送ってくれるようになった。
たまにいっちゃんもいるんだけどね。
あの日から一ヶ月が過ぎた。
早いもので、もう七月になろうとしている。
この一ヶ月で変わったことが、たくさんある。
『涼さん』を『涼にー』と呼ぶようになったこと。
髪をバッサリと切って、ボブ風にしたこと。
学校で新しい友達が出来たこと。
そして……
涼にーの妹になったこと。