私は大事なそっくりさん


校門の前には、もうすでに萌歌と夏がいた。




方向が2人とは逆だから、私は3年間ずっと一人で寂しく登校している。




家が近かったのがせめてもの救いだね。




「「おはよーう!! 」」




私に笑顔で手を振っている。私も嬉しくなって、手を振り返す。




「おはよう! 遅れてごめんね~」




「どうせまた、涼さんにべったりだったんでしょ?? 」




萌歌はニヤニヤしながら私に耳打ちした。




さっきの出来事を思い出して、顔が熱くなった。




べったりなんてしてないよ……。




「朝から破廉恥なカップルだこと。顔赤くしちゃって!! 」




夏まで私をからかってくる。だからカップルでもないのに。




最近はこれが私たちの朝の挨拶になってしまった。




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