恋人は専属執事様Ⅱ
殆ど宿題も片付けて、私たちは残り僅かな連休を満喫した。
ビーチバレーにビーチフラッグ、河野さんを砂浜に埋めたりもしたっけ。
河野さんが埋まる頃には波打ち際になる場所に敢えて埋めた鷹護さんは鬼だと思った…
流石の宝井さんも心配そうな素振りを見せたけど
「淑乃、シュノーケル貸せば?」
と言ったから、実は楽しんでいたのかも……
掘り起こして助けるって選択肢はないみたい。
わざわざ波打ち際に埋めるくらいだからね…
結局は鷹護さんと秋津君が掘り起こしていたけど、鷹護さんは河野さんに散々文句を言われいてた。
それでもみんな、とても楽しそうだった。
私も勿論楽しかった。
河野さんの生き埋めがなければもっと……

夕ご飯を済ませ食後の紅茶を楽しんでいたら、河野さんから集合がかかった。
明日は何をするのか決めるのかと思ったら、これからのことだった。
まだ遊び足りないのね……
別荘から海とは反対側にある洞窟へ行くらしい。
暗くなってから行くのは危ないと思ったけど、目的は観光ではないみたい。
そう、肝試しだから夜じゃないと意味がないのよね…
自慢じゃないけど、私はお化け屋敷の類が大の苦手なのに。
嫌だなぁ…と思いながら、みんなに無理矢理連れて行かれた。

すごく雰囲気のある洞窟は、入り口の近くにいるだけでも十分怖かった。
2人1組でやるらしいけど、私たちは5人だからどうするのかと思ったら……
男子4人でじゃんけんをして組み合わせが決まった。
早々に負けた宝井さんと秋津君が組み、鷹護さんと河野さんがじゃんけんをして負けた河野さんが私と組むことに。
唯一無敗の鷹護さんが1人で行くと言うルールがおかしかった。
肝試しのルールは簡単。
洞窟の一番奥で写メを撮って来るだけ。
一本道の突き当たりだから迷うこともないと言う訳。
驚かせる人がいないと分かって、少し安心して私も楽しむ気持ちになった。
先ずは鷹護さんが、安全確認も兼ねて行くことに。
本当に責任感が強いと言うか、面倒見が良いと言うか……
30分くらいで戻って来た鷹護さんは、本当に安全確認だけして来たかのように落ち着いていた。
何ヶ所か足元が滑りやすいと教えてくれて、宝井さんと秋津君が出発した。
2人も30分くらいで戻って来たけど、怖がる様子はなかったから私は安心した。
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