恋人は専属執事様Ⅱ
2
昨日の放課後には鷹護さんと宝井さんの件が学園中に知れ渡っていた。
一体どこから誰が何の為に広めたのか分からないけど、興味本位で噂話をしないで欲しい…
面白可笑しく尾鰭の付いた噂話に、私は不快感でいっぱいだった。
河野さんの時もそうだけど、何で悪い方に話を作るのか分からない。
そんなことして何が楽しいの?
でも……
その噂話の原因は私のせいなんだ。
私がいい加減な気持ちで、4人もの執事候補生に試用期間なんて持ち掛けたから…
恒例になったお昼休みのお散歩。
中庭だと鷹護さんに会うのが何となく気まずくて、今日はテラスの方へ行った。
日差しが強いからか、意外にもテラスには誰もいなかった。
私は近くの椅子に座った。
「松本って昔っから本当に鈍感だったけど、少しは自覚出来たか?このバカ」
項垂れて途方に暮れる私に、隣に座った秋津君が呆れた口調で訊く。
「鈍感なのは認めるけど…どうしてこんなことになっちゃったのかなぁ?折角みんな仲良くなれたのに……」
ポツリと洩らす私に、秋津君が軽く溜め息を吐く。
「やっぱり鈍感だな。好きな子が他の奴と何かあったら嫌に決まってんだろ?俺だってそうなんだけど?」
面白くなさそうに言った秋津君の言葉に、私はハッとした。
秋津君も私のことを好きって言ってくれたのに、私はなんて無神経なことを…
「だから俺にしろって言ったんだよ。今の松本、すっげぇブスで見てらんねぇよ!」
秋津君…心配してくれているのか貶されているのか分からないよ…
キュッと秋津君が私の手を握る。
大きな手から秋津君の体温が伝わって来る。
「俺がいるから…いつでも俺が松本の傍にいてやるから……」
安心しろって言ってくれているみたいで、秋津君の優しさが嬉しかった。
「アリガトね、秋津君…」
秋津君に向かって笑顔でそう言うと
「やっと笑ったな、バカ。松本はずっと笑ってろよ…ブスがマシになるから」
そう言って、秋津君は顔を赤くしてそっぽを向いた。
口は悪いけど繋いだ手が温かくて、秋津君が私のことを大切に思ってくれているのが分かった。
秋津君だけじゃない。
鷹護さんも河野さんも宝井さんも、表現方法は違うけど私のことを大切に思ってくれている。
私はみんなの気持ちにどう応えれば良いのかな?
一体どこから誰が何の為に広めたのか分からないけど、興味本位で噂話をしないで欲しい…
面白可笑しく尾鰭の付いた噂話に、私は不快感でいっぱいだった。
河野さんの時もそうだけど、何で悪い方に話を作るのか分からない。
そんなことして何が楽しいの?
でも……
その噂話の原因は私のせいなんだ。
私がいい加減な気持ちで、4人もの執事候補生に試用期間なんて持ち掛けたから…
恒例になったお昼休みのお散歩。
中庭だと鷹護さんに会うのが何となく気まずくて、今日はテラスの方へ行った。
日差しが強いからか、意外にもテラスには誰もいなかった。
私は近くの椅子に座った。
「松本って昔っから本当に鈍感だったけど、少しは自覚出来たか?このバカ」
項垂れて途方に暮れる私に、隣に座った秋津君が呆れた口調で訊く。
「鈍感なのは認めるけど…どうしてこんなことになっちゃったのかなぁ?折角みんな仲良くなれたのに……」
ポツリと洩らす私に、秋津君が軽く溜め息を吐く。
「やっぱり鈍感だな。好きな子が他の奴と何かあったら嫌に決まってんだろ?俺だってそうなんだけど?」
面白くなさそうに言った秋津君の言葉に、私はハッとした。
秋津君も私のことを好きって言ってくれたのに、私はなんて無神経なことを…
「だから俺にしろって言ったんだよ。今の松本、すっげぇブスで見てらんねぇよ!」
秋津君…心配してくれているのか貶されているのか分からないよ…
キュッと秋津君が私の手を握る。
大きな手から秋津君の体温が伝わって来る。
「俺がいるから…いつでも俺が松本の傍にいてやるから……」
安心しろって言ってくれているみたいで、秋津君の優しさが嬉しかった。
「アリガトね、秋津君…」
秋津君に向かって笑顔でそう言うと
「やっと笑ったな、バカ。松本はずっと笑ってろよ…ブスがマシになるから」
そう言って、秋津君は顔を赤くしてそっぽを向いた。
口は悪いけど繋いだ手が温かくて、秋津君が私のことを大切に思ってくれているのが分かった。
秋津君だけじゃない。
鷹護さんも河野さんも宝井さんも、表現方法は違うけど私のことを大切に思ってくれている。
私はみんなの気持ちにどう応えれば良いのかな?