恋人は専属執事様Ⅱ
そっと鷹護さんの髪を手櫛で整える。
いつも見上げてばかりだからこの角度は新鮮で、こんな風に感情を出す鷹護さんも新鮮で……
なんとなく鷹護さんの髪を触っていた手が突然掴まれた。
「~~頼むからやめてくれ……恥ずかしくて死にそうだ」
顔を上げてそう言った鷹護さんの顔は真っ赤で、本当に死にそうなくらい困った表情だった。
こんな鷹護さんは初めてで、驚いて固まる私に更に鷹護さんは
「お前と会ってから俺だって驚いてばかりだ…こんなことは初めてだ……お前にはみっともないところばかり見せているな…」
と言ってまた俯いてしまった。
「そんなことないです。口先ばかりで飄々とした顔の鷹護さんよりずっと良いですよ」
と言ったら、鷹護さんは顔を上げて
「お前…俺のことをそんな風に思っていたのか」
とムスッと顔を顰めた。
「デモンストレーションで初めて会った時のことですから!」
と私が慌てて言うと、鷹護さんはふいとそっぽを向いて
「鈍い割にそういうところは鋭いな。見破られていたならやはり格好がつかないだろう…」
と拗ねたように不貞腐れてしまった。
なんだか今日の鷹護さんって…
「可愛いです」
あ、口に出ちゃった……
キッと私を睨むけど全然怖くない。
鷹護さんも分かっているみたいで、溜め息を吐いて
「全く…お前には適わないな。言っておくが、俺をこんな風にさせるのはお前だけだぞ。それと…可愛いなんて言葉は男にとって不名誉だ」
と言って立ち上がり、優しく私の手を引いて立ち上がるのを手伝ってくれた。
そして教室に戻るまで、鷹護さんはずっと「情けない…」と繰り返しぼやいていた。
そんなことないのにな…
でも、鷹護さんの意外な一面が見れたから、私は黙っていることにした。
それに気まずさもいつの間にかなくなっていたことが嬉しくて顔が弛んだら、鷹護さんに
「笑うな」
と叱られてしまった。
気まずくなくなって良かったと思ったからだと説明しても、鷹護さんは不貞腐れたままだった。
失礼だと思いつつも、やっぱり鷹護さんって可愛いと思った。
口には出さないけど。
「また可愛いなんて思っているだろう?」
鷹護さんが不機嫌そうな声で言うから驚いたら
「顔に書いてある」
と言われて私も情けない気持ちになった……
いつも見上げてばかりだからこの角度は新鮮で、こんな風に感情を出す鷹護さんも新鮮で……
なんとなく鷹護さんの髪を触っていた手が突然掴まれた。
「~~頼むからやめてくれ……恥ずかしくて死にそうだ」
顔を上げてそう言った鷹護さんの顔は真っ赤で、本当に死にそうなくらい困った表情だった。
こんな鷹護さんは初めてで、驚いて固まる私に更に鷹護さんは
「お前と会ってから俺だって驚いてばかりだ…こんなことは初めてだ……お前にはみっともないところばかり見せているな…」
と言ってまた俯いてしまった。
「そんなことないです。口先ばかりで飄々とした顔の鷹護さんよりずっと良いですよ」
と言ったら、鷹護さんは顔を上げて
「お前…俺のことをそんな風に思っていたのか」
とムスッと顔を顰めた。
「デモンストレーションで初めて会った時のことですから!」
と私が慌てて言うと、鷹護さんはふいとそっぽを向いて
「鈍い割にそういうところは鋭いな。見破られていたならやはり格好がつかないだろう…」
と拗ねたように不貞腐れてしまった。
なんだか今日の鷹護さんって…
「可愛いです」
あ、口に出ちゃった……
キッと私を睨むけど全然怖くない。
鷹護さんも分かっているみたいで、溜め息を吐いて
「全く…お前には適わないな。言っておくが、俺をこんな風にさせるのはお前だけだぞ。それと…可愛いなんて言葉は男にとって不名誉だ」
と言って立ち上がり、優しく私の手を引いて立ち上がるのを手伝ってくれた。
そして教室に戻るまで、鷹護さんはずっと「情けない…」と繰り返しぼやいていた。
そんなことないのにな…
でも、鷹護さんの意外な一面が見れたから、私は黙っていることにした。
それに気まずさもいつの間にかなくなっていたことが嬉しくて顔が弛んだら、鷹護さんに
「笑うな」
と叱られてしまった。
気まずくなくなって良かったと思ったからだと説明しても、鷹護さんは不貞腐れたままだった。
失礼だと思いつつも、やっぱり鷹護さんって可愛いと思った。
口には出さないけど。
「また可愛いなんて思っているだろう?」
鷹護さんが不機嫌そうな声で言うから驚いたら
「顔に書いてある」
と言われて私も情けない気持ちになった……