恋人は専属執事様Ⅱ
松本家のお屋敷ほどではないけど、それでも十分立派な屋内プールまであるし…
改めて『松本家』と言うお家のすごさを思い知らされた。
いくらパパがこのお家の元跡取りとは言え、一般家庭で育った私には分不相応だと思った。
藤臣さんはそんな私に
「淑乃様はまだお若いのですから、そうお気付きになられただけでもお連れした甲斐がございます。これから松本家のご令嬢としての教育を受けられて、松本家に相応しい方になればよろしいのですよ」
と言ってくれたけど…そういうものなのかなぁ?
お昼ご飯を食べてから、私は水着に着替えると上からパーカーを羽織りショートパンツを穿いて海に向かった。
松本家所有の離島だから勿論貸切。
こんなに素敵な場所を独り占めだなんて、何だか勿体無いなぁ……
砂浜から海を眺めてると、後ろから声がした。
「お嬢様、パラソルとデッキチェアをご用意いたします。あまり日光の下にいらっしゃいますと、熱中症になられますのでお飲物も召し上がってください」
よく通る声で淀みなく話すこの人が誰か、私は振り向かなくても直ぐに分かった。
「大丈夫ですよ、鷹護さん。こう見えても私、泳ぎには自信があるんです」
振り向きながら笑顔で答えた。
そこには凡そ海辺には似付かわしくない、燕尾服姿でスッと姿勢を正した鷹護さんの姿があった。
鷹護さんだけじゃない。
4人の執事候補生全員が燕尾服姿で、パラソルを立てたりデッキチェアを運んでいた。
いくら4月末とは言え、ここは海で泳げる気候なのに信じられない!
「しかし、お嬢様は起立性脳貧血で倒れられたことがございますので…」
鷹護さんの心配は尤もだけど、そんな恰好じゃみんなが先に倒れるでしょ!
「海で私のお世話をするなら、皆さんもそれに相応しい恰好で仕えてください!いいですね?」
珍しくキレた私に鷹護さんを始め、準備をしてたみんなも固まった。
「しかし、お嬢様にお仕えする私どもは泳ぎに来た訳ではございませんので…」
流石は執事候補生総代の鷹護さん。
直ぐに反論したけど、そんなの私が許さない。
「もし私が溺れたら、着衣水泳で助ける積もりですか?そんな服装でベストが尽くせるんですか?」
私の剣幕に鷹護さんも驚いて、言葉に詰まってしまった。
改めて『松本家』と言うお家のすごさを思い知らされた。
いくらパパがこのお家の元跡取りとは言え、一般家庭で育った私には分不相応だと思った。
藤臣さんはそんな私に
「淑乃様はまだお若いのですから、そうお気付きになられただけでもお連れした甲斐がございます。これから松本家のご令嬢としての教育を受けられて、松本家に相応しい方になればよろしいのですよ」
と言ってくれたけど…そういうものなのかなぁ?
お昼ご飯を食べてから、私は水着に着替えると上からパーカーを羽織りショートパンツを穿いて海に向かった。
松本家所有の離島だから勿論貸切。
こんなに素敵な場所を独り占めだなんて、何だか勿体無いなぁ……
砂浜から海を眺めてると、後ろから声がした。
「お嬢様、パラソルとデッキチェアをご用意いたします。あまり日光の下にいらっしゃいますと、熱中症になられますのでお飲物も召し上がってください」
よく通る声で淀みなく話すこの人が誰か、私は振り向かなくても直ぐに分かった。
「大丈夫ですよ、鷹護さん。こう見えても私、泳ぎには自信があるんです」
振り向きながら笑顔で答えた。
そこには凡そ海辺には似付かわしくない、燕尾服姿でスッと姿勢を正した鷹護さんの姿があった。
鷹護さんだけじゃない。
4人の執事候補生全員が燕尾服姿で、パラソルを立てたりデッキチェアを運んでいた。
いくら4月末とは言え、ここは海で泳げる気候なのに信じられない!
「しかし、お嬢様は起立性脳貧血で倒れられたことがございますので…」
鷹護さんの心配は尤もだけど、そんな恰好じゃみんなが先に倒れるでしょ!
「海で私のお世話をするなら、皆さんもそれに相応しい恰好で仕えてください!いいですね?」
珍しくキレた私に鷹護さんを始め、準備をしてたみんなも固まった。
「しかし、お嬢様にお仕えする私どもは泳ぎに来た訳ではございませんので…」
流石は執事候補生総代の鷹護さん。
直ぐに反論したけど、そんなの私が許さない。
「もし私が溺れたら、着衣水泳で助ける積もりですか?そんな服装でベストが尽くせるんですか?」
私の剣幕に鷹護さんも驚いて、言葉に詰まってしまった。