恋人は専属執事様Ⅱ
3
宝井さんと教室へ向かう途中、渡り廊下で偶然鷹護さんと会った。
まだこの2人が険悪な状態だって紗羅さんから聞いた。
また掴み合ったりしたらどうしよう?
私が心配していると、宝井さんがニヤリと口角を上げて
「こんにちは、鷹護さん。今日も寮へ戻られてサボりがいないか確認されていらしたのですか?寮長は大変ですね」
と言う。
声を掛けられた鷹護さんは、僅かに表情が変わる。
多分、宝井さんのイメチェンに驚いているんだろうな…
「宝井か、随分と雰囲気が変わったな。他人事のように言うが、来年はお前が寮長だ」
鷹護さんの言葉に宝井さんが驚いた顔をする。
何で宝井さんが驚くの?
「次期寮長は現寮長からの指名で決めると伺っておりましたが、私の記憶違いでしょうか?」
「お前の認識通りだ。今の2年の中で次期寮長を任せられるのはお前だと思っている」
そんな決まりがあるんだ?
って…あら?宝井さんが不愉快そうな顔に……喧嘩するの?
私の心配をよそに
「殺しても気が済まないような奴にそんな大役を任せるなんて、アンタ正気で言ってんの?」
と宝井さんが鷹護さんに言う。
「確かにお前は殺しても気が済まないが、それは淑乃絡みの私情だ。執事候補生総代・寮長のどちらの立場から見ても、2年の執事候補生の中では宝井以外考えられない」
鷹護さんの言葉に宝井さんが
「アンタ本当にムカつく奴だな…でも、アンタに出来ることが俺に出来ない訳がない。いいよ、引き受けてやる。淑乃の世話も完璧に熟すから、安心して早く卒業しろよ」
と言ってニヤリと笑った。
「最後の言葉は聞き捨てならないが……」
そこまで言うと、鷹護さんも珍しくニヤリと笑い
「頼もしい後輩がいて助かる」
と言ってから私を見て
「淑乃、また放課後に会おう」
と笑いかけて先に行ってしまった。
「信頼されてますね…」
思わずポロッと口にしたら、宝井さんはすごく嫌そうな顔で
「完璧は俺1人で十分なのにな」
と言った。
それって…宝井さんも鷹護さんのことを認めているってこと?
案外、この2人って同属嫌悪なのかも?
でもちょっと安心した…
「ほら、早く戻らないと授業に間に合わないぞ」
宝井さんに腕を掴まれ、引き摺られるように教室へ向かった。
まだこの2人が険悪な状態だって紗羅さんから聞いた。
また掴み合ったりしたらどうしよう?
私が心配していると、宝井さんがニヤリと口角を上げて
「こんにちは、鷹護さん。今日も寮へ戻られてサボりがいないか確認されていらしたのですか?寮長は大変ですね」
と言う。
声を掛けられた鷹護さんは、僅かに表情が変わる。
多分、宝井さんのイメチェンに驚いているんだろうな…
「宝井か、随分と雰囲気が変わったな。他人事のように言うが、来年はお前が寮長だ」
鷹護さんの言葉に宝井さんが驚いた顔をする。
何で宝井さんが驚くの?
「次期寮長は現寮長からの指名で決めると伺っておりましたが、私の記憶違いでしょうか?」
「お前の認識通りだ。今の2年の中で次期寮長を任せられるのはお前だと思っている」
そんな決まりがあるんだ?
って…あら?宝井さんが不愉快そうな顔に……喧嘩するの?
私の心配をよそに
「殺しても気が済まないような奴にそんな大役を任せるなんて、アンタ正気で言ってんの?」
と宝井さんが鷹護さんに言う。
「確かにお前は殺しても気が済まないが、それは淑乃絡みの私情だ。執事候補生総代・寮長のどちらの立場から見ても、2年の執事候補生の中では宝井以外考えられない」
鷹護さんの言葉に宝井さんが
「アンタ本当にムカつく奴だな…でも、アンタに出来ることが俺に出来ない訳がない。いいよ、引き受けてやる。淑乃の世話も完璧に熟すから、安心して早く卒業しろよ」
と言ってニヤリと笑った。
「最後の言葉は聞き捨てならないが……」
そこまで言うと、鷹護さんも珍しくニヤリと笑い
「頼もしい後輩がいて助かる」
と言ってから私を見て
「淑乃、また放課後に会おう」
と笑いかけて先に行ってしまった。
「信頼されてますね…」
思わずポロッと口にしたら、宝井さんはすごく嫌そうな顔で
「完璧は俺1人で十分なのにな」
と言った。
それって…宝井さんも鷹護さんのことを認めているってこと?
案外、この2人って同属嫌悪なのかも?
でもちょっと安心した…
「ほら、早く戻らないと授業に間に合わないぞ」
宝井さんに腕を掴まれ、引き摺られるように教室へ向かった。