恋人は専属執事様Ⅱ
私には難しいことは分からない。
いきなり松本家次期頭首と言われてもサッパリだけど…私らしくいることが大切なら貫こうと思う。
でもやっぱり、もっと良家のお嬢様らしい言動は身に付けないとダメだよね。
私の心配を察したのか、藤臣さんが
「誰にも仕えようとしなかった執事候補生が4人も連休返上で淑乃様にお仕えしているのですよ?淑乃様にお仕えしたいと言う彼らを信じてみては如何でしょう?」
と優しく笑うと、別荘の方へ視線を向けた。
釣られて私もそっちを見ると、執事候補生たちが着替えて向かって来ていた。
「ここは彼らに任せて、私は別荘で用事を済ませて参ります」
そう言って、藤臣さんは別荘に戻って行った。
「お嬢、お待たせ~♪早く泳ごうよ」
一番乗りの河野さんがそう言うや否や、鷹護さんの拳骨が河野さんの頭に綺麗にヒットした。
「お嬢様に対してその口の利き方はなんだ。遊びに来ている訳ではないんだぞ」
流石は学級委員長…じゃなくて執事候補生総代。
「っ痛ぇなぁ…お嬢の傍にいた方が直ぐに対応出来るっしょ?ねぇ、お嬢?」
頭をさすりながらも口の減らない河野さん…流石です……
「確かに近くにいた方が、もしもの事態を未然に防ぐことが出来ると思いますね」
珍しく便乗したのは宝井さん。
意外とこの2人は気が合うのかも?
宝井さんの意見に説得力があったのか、渋々ながら鷹護さんも承知したようだった。
「くれぐれも遊びではないことを忘れないように。河野は俺と、宝井は秋津と、交代でお嬢様のお傍でお守りしよう。宝井・秋津ペアから先にお嬢様をお守りしろ」
そう言って、鷹護さんは不平を垂れる河野さんを引きずって、デッキチェアを2つ用意し始めた。
「だってさ、秋津。一時休戦して仲良くしなきゃだね」
また分からないことを言い始めた宝井さんを、秋津君が黙って睨む。
「あの…仲直りしたんじゃないんですか?」
不思議に思って宝井さんに訊くと、宝井さんが答える前に
「松本は余計なこと考えねぇで早く準備しろ、バカ」
と秋津君に叱られた。
釈然としない私に、片側だけ口角を上げてニヤリと笑いながら宝井さんが
「秋津、ツンデレはリアルだと嫌われるよ」
とおかしそうに言った。
益々分からない……
秋津君は宝井さんにツンデレなの?
いきなり松本家次期頭首と言われてもサッパリだけど…私らしくいることが大切なら貫こうと思う。
でもやっぱり、もっと良家のお嬢様らしい言動は身に付けないとダメだよね。
私の心配を察したのか、藤臣さんが
「誰にも仕えようとしなかった執事候補生が4人も連休返上で淑乃様にお仕えしているのですよ?淑乃様にお仕えしたいと言う彼らを信じてみては如何でしょう?」
と優しく笑うと、別荘の方へ視線を向けた。
釣られて私もそっちを見ると、執事候補生たちが着替えて向かって来ていた。
「ここは彼らに任せて、私は別荘で用事を済ませて参ります」
そう言って、藤臣さんは別荘に戻って行った。
「お嬢、お待たせ~♪早く泳ごうよ」
一番乗りの河野さんがそう言うや否や、鷹護さんの拳骨が河野さんの頭に綺麗にヒットした。
「お嬢様に対してその口の利き方はなんだ。遊びに来ている訳ではないんだぞ」
流石は学級委員長…じゃなくて執事候補生総代。
「っ痛ぇなぁ…お嬢の傍にいた方が直ぐに対応出来るっしょ?ねぇ、お嬢?」
頭をさすりながらも口の減らない河野さん…流石です……
「確かに近くにいた方が、もしもの事態を未然に防ぐことが出来ると思いますね」
珍しく便乗したのは宝井さん。
意外とこの2人は気が合うのかも?
宝井さんの意見に説得力があったのか、渋々ながら鷹護さんも承知したようだった。
「くれぐれも遊びではないことを忘れないように。河野は俺と、宝井は秋津と、交代でお嬢様のお傍でお守りしよう。宝井・秋津ペアから先にお嬢様をお守りしろ」
そう言って、鷹護さんは不平を垂れる河野さんを引きずって、デッキチェアを2つ用意し始めた。
「だってさ、秋津。一時休戦して仲良くしなきゃだね」
また分からないことを言い始めた宝井さんを、秋津君が黙って睨む。
「あの…仲直りしたんじゃないんですか?」
不思議に思って宝井さんに訊くと、宝井さんが答える前に
「松本は余計なこと考えねぇで早く準備しろ、バカ」
と秋津君に叱られた。
釈然としない私に、片側だけ口角を上げてニヤリと笑いながら宝井さんが
「秋津、ツンデレはリアルだと嫌われるよ」
とおかしそうに言った。
益々分からない……
秋津君は宝井さんにツンデレなの?