ダイスキ熱愛先生!~溺愛教師の不純!?な個人授業~
「ねぇってば!」


そいつは、まったく眼中に置かず歩いていた俺の肩を掴み、グイッと無理やり振り向かせた。

突然の強い力に、グラリと身体が揺れる。


ゆっくりと伏せた目線を上げると、ハタチ前後だろうか、金髪に3連ピアス、いかにも、といった感じの若い男がニヤニヤと厭らしい笑みを浮かべて立っていた。

その背後には、似たような風貌の男2人が同じく笑っている。



「ねぇオニーサン、金、ある?」

「大人しく出しといた方がいーよ」


何が楽しいのか、ケラケラと笑っているその3人組を、何も言わずただ見ていた。

酒で鈍っている頭のせいか、この状況が理解できずにいる。


「コイツびびってんのか?」

「さっさと出せって」


何の反応も見せない俺に彼らは苛立ちを感じ始めたのか、ちょっと行こーか、と肩を抱き、俺を囲むように歩きながら暗い路地裏へと場所を変えた。


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