ダイスキ熱愛先生!~溺愛教師の不純!?な個人授業~
2人と別れたあと、最後の授業のため大広間に向かった。

今日は大場先生が担当するので、俺は何もすることがない。後ろから授業の様子を眺めていればそれでいい。

あぁ…あいつらのせいで一気に気分が悪くなった。せっかく幸せ気分に浸ってたのに。


勉強開始の時間から若干遅れて到着すると、もうすでに授業は始まっていた。いつもは陽気で朗らかな大場先生が声を張り上げて教えている。


おお…やってるやってる…。

邪魔しないよう後ろに控え、すかさず結衣の姿を探した。

……いた。その姿を見ただけで簡単に気分が浮上する。

前の方に座り、ノートの上でスラスラとペンを走らせている。その表情は確認できないけど、おそらく、眠そうでもなく難しそうでもなく、いつものように無表情で勉強しているだろう。その姿が安易に想像できて少し笑った。


昨日ここであんなに激しくキスをしたとは思えないな…。俺に翻弄されていたあの顔を思い出していた。

……結衣の表情を崩すのは俺だけでいい。
困った顔も、怒った顔も、笑った顔も、昨夜のような煽情的な顔も…。


そんなことを考えながら真面目に勉強するその後ろ姿を見つめていたら、クルッと結衣が突然振り返った。

バチッと目が合う。

まさかこちらを向くとは思わなかったから嬉しくて微笑みを向けると、結衣は一瞬で顔を赤らめバッと慌てたように前を向いた。


ダメだ……。

肩を揺らしながら必死で笑いをこらえ、再び愛しい彼女の姿を見つめた。


「…可愛いなぁ」


思わず、皆に聞こえないような小さな声で呟いていた。

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