ダイスキ熱愛先生!~溺愛教師の不純!?な個人授業~
どうするか…。念のためここにも電話してみるか…。

再び携帯を取り出し、コールした。


『もしもし銀次!?久しぶりじゃない!!』

テンション高い声で電話に出たのは俺のお袋。今もウチの会社の取締役の一人として現役で働いている。


『どうしたの?元気してる?たまには顔見せてよ!』

「はいはい…それより、親父今日家に帰ってくる?」

『さあ…どうかしら?ここ1ヶ月くらい忙しいって帰ってなかったけど…。そろそろ帰るんじゃない?私も出張中だから分かんないわ』

なんだよ…。親父の予定くらい把握しといてくれよ…。

「分かった…」

ガックリと肩を落としていると、お袋が、あ、と声を上げた。


『そういえば、今朝松井さんに電話したら今日はお客様が来るから準備しなきゃ、って言ってたわ』

「マジ!?」


松井さんとは長年俺の家に勤めているベテランのお手伝いさん。数いるお手伝いの中のトップだ。

松井さんが準備するということは、金一郎や志銅の客じゃない。親父の客だ。


よし…。親父は家に帰ってくるはずだ…。

「ありがと、じゃ」

『もう切るの!?』

残念そうに言うお袋の声を聞きながら電話を切った。


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