ダイスキ熱愛先生！～溺愛教師の不純!?な個人授業～

……誰だよ、こんなタイミングに。

無視しようかと思ったが、あまりにもうるさいので渋々携帯を取り出し液晶を見た。


…樋口さん？あの日以来だ。

どうしてか、何かイヤな予感がする。


「もしもし…？」

少し警戒しながら電話に出ると、「お久しぶりです」といつもの落ち着いた口調が聞こえた。


「銀次さん、先日は大変ご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした」

「いや、それはもういいから…それより、どうした？何かあったか？」


もしかしたら、しばらく放置している間に親父が動き出したのかもしれない。

硬い声で問うと、樋口さんはためらいがちの声で早速本題に入った。


「秘書である私が申し上げるのはどうかと迷ったのですが…、社長が桐島結衣さんの身辺調査を部下に命じているのを耳にしまして…。確かその方、銀次さんの恋人ではないかと…」

「はあぁぁあっ!?身辺調査だとっ!?」

「ええ…。おそらく、直接結衣さんに接触するつもりなのでは…」

「……あんのクソ親父がっ!!!!」

「あくまでも私の憶測ですが…。気をつけられた方がよろしいかと」