ダイスキ熱愛先生!~溺愛教師の不純!?な個人授業~
そして、結局何も起こらないまま結衣の試験本番を迎えた。

ちょうど土曜日で学校も休みだったため、結衣を試験会場がある大学まで送った。


「結衣、いよいよだな。頑張ってこいよ」

「はい」


まだ開始までは時間があるので、しばらく車の中にいた。結衣は参考書を開いて、最終確認をしている。


「あ、そうだ。先生、また時計借りてもいいですか?」

「あぁ。ていうか、やるよ」

言いながら腕から外し、「はい」と結衣に渡した。
そういやお守り代わりだってセンター試験の時も渡したな。



「え!?いや、それはいいですよ!!高そうだし」

「それくらい別にいい。じゃあ、新しいの買ってやろうか?結衣に合うやつ」


もしかしたらこれは結衣へのプレゼント候補になるじゃねえか!

少し期待していると、結衣はあっさり断ってきた。


「ううん、いいです。先生のじゃないと、意味がないから。先生が持ってるものじゃないと」

「……そんなに効果あったのか?それ」

「うん。試験中に見たら、頑張れるの」




…………。



どうしようか。

今、ものすごく襲いたい。

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