ダイスキ熱愛先生!~溺愛教師の不純!?な個人授業~
さて、結衣も無事見届けたし、いったん家に帰るか。

エンジンをかけ、車を発進させようとしたところで携帯が鳴り響いた。

着信相手は樋口さんだった。


「もしもし?親父が何か動き出したのか?」

『おそらく、今銀次さんの元に向かっているかと』

「俺のところに?」


聞き返したところで、黒塗りの車がスーッと横付けされたのが目に入った。

「……あぁ、来たわ」

そう樋口さんに告げて電話を切り、携帯をパタンと閉じた。


窓を開けると、同じく隣の車の窓も下がり、中から嫌な笑みを浮かべた親父が顔をのぞかせた。



「よお、銀次」

「会いたかったぜ、クソ親父」

鋭い視線で睨みつける俺を親父は鼻で笑っている。



「結局婚約者探しは失敗したみたいだな」

「黙れ。場所を変えるぞ、ついて来い」


そう言って、親父は俺の返事も聞かないまま一方的に窓を閉め、先を走って行った。


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