ダイスキ熱愛先生!~溺愛教師の不純!?な個人授業~
「結衣さんの前でみっともないと思わないの!?」

その声にハッ!と結衣の方を見ると、困惑した表情で小さくなって立っていた。


「ご、ごめん結衣!!」

慌てて結衣の元に戻りその身体を抱き寄せると、すかさず親父は「イチャつくでない!」と目を光らせる。その声に結衣はビクッと跳ね俺から離れてしまった。


そんな俺たちを見たおふくろが今度は静かに親父に言った。

「もう許してあげなさいよ。それに、あなたには反対する権利なんてないでしょ?」

「権利がないって……どういうことだ?」

気まずそうに口を閉ざす親父に代わって訊ねると、おふくろは苦笑しながら教えてくれた。


「ママたちの時も、先代から大反対されてたのよ。ほら、ママ昔はホステスだったし」

「え?まじ?」

「そうよ。しかも両親を早くに亡くしてたから、身寄りもなくって。もう大変だったんだから!どこの馬の骨とも知れん娘を!ってね」


初耳だ…。今じゃバリバリのキャリアウーマンなのに、そんな時代もあったのか…。

でもあの爺さんなら言いそうだな…。今はもう引退してお気楽な隠居生活を送っているが、現役時代はかなり威勢がよかった。


「で?どうやって説得したんだ?」

「それがね、駆け落ちする直前に……金一郎がデキちゃって」

そう言っておふくろは年甲斐もなくテヘッと笑っていた。


なるほどね………でも、そうか。その手があったか。

そんな考えが頭をよぎり思わず結衣を見たが、結衣はその考えを察したようでギョッと焦った顔をしながらブンブンと首を横に振っていた。

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