ダイスキ熱愛先生!~溺愛教師の不純!?な個人授業~
聞こえるか聞こえないかというくらいの小さな声で親父は呟いた。もちろん、聞き逃すはずなどない。


「認めるって言ったよな?」

「……あぁ」

「結衣に何の手出しもしねえな?」

「……あぁ」

「金輪際俺たちの邪魔はしねえな?」

「分かったと言っとるだろ!しつこい!」

何度も確認する俺に、親父は鬱陶しそうに答えながらソファーにドカッと座った。


「あなたももう息子たちと張り合うのはやめなさい。昔から何かある度、負かしてやろうって悪知恵働かせていじめるんだから」

「だって、それくらいしか楽しみがないからな」



……楽しみだとっ!?

今までのことは親父の遊びだったというのか!?それに付き合わされていただけだったのか!?

ありえないっ…!!遊びにしてはタチが悪すぎる!!


怒り心頭でプルプルと震える俺に親父は気付き、「スマン銀次!!もうせん!!」と焦りながら謝ってきた。

「今さらっ…!!」

その調子のよさに、親父を殴り飛ばしたい衝動に駆られた時、隣にいた結衣の気配がスッと消えた。



「結衣!?」

「結衣さん!?」


驚いて結衣を見ると、床にペタンと座り込んでハラハラと涙を流していた。


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