ダイスキ熱愛先生！～溺愛教師の不純!?な個人授業～

「それで私も気になってここへ…。蘭子さんも待ってればいいものを付いて行くと聞かなくて…」

「そういうことだったのか…。色々と迷惑かけて申し訳なかったな…」

「いえ！私にも何となく負い目がありますから…」


おふくろの登場は松井さんと樋口さんのナイスアシストだったようだ。

「ありがとう、樋口さん」

「いえ、でも本当に良かったです」


素直に喜び合っている俺たちなんて藤堂蘭子はまるで気にせず、「早く帰りましょ!!」とプリプリ怒りながら先を歩いて行っている。


「樋口さん…よくあんな女と結婚する気になれたな…」

「ハ、ハハ…」

苦笑いを浮かべる樋口さんを見ていると、大丈夫か？と心配になってくる。


「樋口っ!!早く!!」

遠くの方で藤堂蘭子が叫んでいる。

つーか、呼び捨てっ!?こいつら本当に恋人同士なのかっ!?…樋口さん、絶対尻に敷かれている…。


慌てて藤堂蘭子の元へ戻っている樋口さんを見送りながら、結衣に声をかけた。

「……結衣、今度こそ帰ろう」

「……はい」

この賑やかな展開に結衣はもう可哀想なくらいグッタリしている。


「早く帰ってゆっくり休もう」

苦笑しながら結衣の頭を撫でると、コクリと頷きながら、微かだがようやく微笑みを見せてくれた。