一生に一度の初恋

「知ってるも何も…」

嵐士は言いかけてまた俯いた。

「ま、気にすんな。ほら、ゲーセンだぞ。」

嵐士はいつもの涼しげな表情で言った。

斗哉くんもいつもの眩しい笑顔で、

「久し振りだな~♪」

そう言った。


だけど、あたしにはちゃんと聞こえたよ。

「幸せってなんだろうな…」

悲しそうに、切なそうに小さく、消えそうな声で呟いた嵐士の声を…



< 67 / 69 >

この作品をシェア

pagetop