セカンドキス
「あっ、ごめん。忘れ物しちゃった。」
「紗江、また忘れ物?ったくこの子は・・・」
「ごめん、ごめん。先行ってて。」

そう言って、振り返らずに私は教室へ向う階段を上った。

(ごめんね。皆。)

階段を上りながら私は小さく呟いた。
呟きながらちょっぴり心が痛んだ。
私が教室に忘れ物をしたのは嘘だったから。
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