粉雪
(久し振り、元気?)

心の中で小さく吐き出す。
その僕の声が、キミに届く事はもちろん無い。
にも関わらず、キミは不意に振り返った。
辺りをキョロキョロして、肩を落とし、また歩き出す。

(探してた?まさかな・・・)

職場へと向ったキミと反対方向へ僕は歩き出した。
目的も持たずに、ただ淡々と歩き続けた。
けれど、自然と足が向く場所は決まっていた。
沢山の場所を回り、沢山の想い出が蘇った。
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