ファーストキス(飲み会帰りに後輩と。編)
振り返った俺の唇に何かが触れた。
優しく甘い感触。
背伸びして、深沢がキスをした。

「これ、私のファーストキスですからね~!」

ろれつが回らないまま、深沢はそう言った。

「嗚呼、うん・・・。」

信号が変わらないうちに横断歩道を渡り切り、駅へと向かった。

「ちゃんと帰れるか?」
「はい。大丈夫です~!」
「うん。じゃあ、また明日。」

改札で、手を振って深沢と別れた後も、俺の唇に残った感触は、暫く消えなかった。
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