上弦の月と下弦の月



「普通じゃ、ありえない。
こんなこと……。

───空が割れるなんて……」


ライルの言葉に子供たちは自分の見ている光景は真実なのだと悟った。


《空が割れる》なんて決して信じられない。

だが、空にはボールが窓を突き抜けたかのように、穴がぽっかりと開いている。

漆黒が続く穴のなかは一体どうなっているのかまったくわからなかった。


しかし、その漆黒のなかに一瞬何かが煌めいた。


次の瞬間、その光は穴からこちらに向かって放たれた。




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