上弦の月と下弦の月
その光は街を包み込み、次に見えた光景は
────炎の渦。
建物は炎に包まれ、何事かと家を飛び出した人たちは目を見張った。
「みんなっ!
大丈夫!?」
「レフィ達のおかげで助かったよ。」
「よかった……」
レフィとライルはその光線に気付き、咄嗟にロッドを取り出し、力を合わせて強大なバリアを作った。
そのおかげで子供たちは無事助かったわけだが、レフィは安堵したのかガクッと膝を地に付けた。
「大丈夫か、レフィ?」
「ライルこそ大丈夫?
さすがにこれだけ一気に魔力を使うのは、疲れるね……」
さすがにこれだけ大きな光線を受け止めて、魔力の消耗が激しくない訳が無い。
逆に言えば、この2人が受けとめられたのは奇跡に近いくらいだった。