上弦の月と下弦の月
「転移!」
母親がそう叫ぶと足元に魔法陣が浮かび上がる。
「レフィ!ライル!
無事だったか!」
気が付けば目の前の景色は変わり、父親が駆け寄ってきた。
「さぁ、早く入って!」
父親に急かされ、家に入る。
ただ2人はこの状況にも、この両親の焦り様にも、一体何が起きているのかさっぱりだった。
「2人は奥の部屋に入って。」
両親に促されるがままに2人は奥の部屋へと足を踏み入れた。
2人が入ったのを確認すると、両親はしゃがんで2人の目をひたと見据えた。
「どう…したの…?」
あまりにも神妙な面持ちで、レフィはなんだか不安になり声を出した。