上弦の月と下弦の月



「イヤだっ!
ねぇ、イヤだよ………!」

「ママもパパも一緒にいてよ!」


必死に縋りつく2人の手を、両親はそっと包み込む。

その顔は嬉しそうだった。


「ママもパパも2人とは一緒にいたいの。

だけど、私たちにはあなたたちを守る義務があるの。」

「だから我儘を言ったらダメだ。

パパも悲しいよ。
だけど、2人がそう思ってくれるのはそれ以上に嬉しいよ。」


2人にはその意味を理解するには幼く、ただただなんで?としか思えない。

それ故にただ縋りつき、両親たちの気持ちが変わることを切に願った。


でも、心の何処かでは諦めていた。


両親たちの気持ちは絶対に変わらないほど強いものだと分かっていたから────




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