上弦の月と下弦の月
───ドオォン!
「もう街に下りてきたのか…?」
「だとしたらもう時間がないわ。」
両親はお互いに顔を見合わせ頷くと、再び2人に視線を戻す。
「さぁ、もうママたちは行くわ。」
「なんでっ!?
行かないでよ…!!」
「あなたたちはもう子供ではないの。
一人の魔術師よ。」
もう一度ふっとほほえむと父親の手から魔法陣が浮かび上がり、そこに浮かぶ言葉がそこから離れて2人の周りを舞う。
「パパ……な…に…こ、れ……?」
「本当はこんなことしたくない。
だけど分かってくれ。」